第2回領域会議を開催しました。[2024年7月3日(水)@浜松]
開催報告
今回は静岡大学ナノマテリアル応用研究会(Nano-MAP)との共同開催で研究会を行った。初めに静岡大学の藤本圭佑先生よりNano-MAPのご紹介を賜り、それに続いて我々の研究領域の各研究班代表から研究紹介を行った。領域代表でA01班のセラミックスが専門の篠崎氏からは材料横断的な共通思想を見出すという我々のビジョンが紹介され、セラミックスの中でも成形が容易で透明なガラスについて、会場に集まった静岡大学の学生にもわかりやすくその基礎から最新の強靭化ガラスの研究までが紹介された。A02班代表者で金属材料が専門の菊池氏は領域ホームページで最近公開されたロゴに込められた思いを紹介し、粒形の異なる不均質ネットワーク金属が示す応力分配機構を疲労特性においても発現させるための設計指針が説明された。A04班代表者でエラストマーが専門の中島氏からは、ひも状分子である高分子の特徴とゲルの構造について説明があった後に、特性が異なる剛と柔の高分子が貫入しあったダブルネットワークゲルについて、弾性変形でありながら片方のネットワークだけがき裂前方で破壊されて靭性が向上するというメカニズムが紹介された。A03班代表者で高分子樹脂が専門の加藤氏からは、同じ高分子材料のエラストマーとプラスチックの違いについて説明があった後、剛な樹脂材料に格納された柔な高分子が幾何学的に連結しているため起こるひずみ硬化と、金属材料にも見られる変態誘起塑性とのアナロジーが説明された。会場には10名程度のNano-MAP若手研究者と静岡大学の学生が数名集まり、オンラインからも数名の研究者が参加して活発な議論が行われた。その中で、剛と柔のヤング率などの特性差に着目した議論も行われた。